実家から帰ると 注文していた シューマンのユーゲントアルバム(Akbum für die Jugend)「子供のアルバム」op.68の楽譜が届いていた。

ロベルト・シューマン作曲 子供のアルバム

ユーゲントアルバムは43曲からなる組曲で、どれも1ページか2ページのとっても小さな曲。
レベルとしてもブルグミュラー程度で十分弾ける曲。

何曲か聞き覚えのある曲をパラパラと弾いてみて、メロディとハーモニーの秀逸さに引き込まれる。
シューマンは曲が小さければ小さいほどきれいな気がする。
決して複雑なことはぜず、シンプルな素材を活かしきって小品に仕上げていて、
リズムとメロディとハーモニーのバランスもよく整えられている。

これは実際に子どものレッスンにも使えるし、講座の教材としてもよい強度を持っているなと思った。
子どものこともよくわかっていて、実際に彼は子どもをよく観察していたんだろうな、と思う。
ギロックなんかも子どもたちは喜ぶけれど、
この曲集は、基礎的なところも、芸術的な部分もうんと育ててくれる感じがする。
もう少し日常的に弾いてもいい曲集だと思う。
やっぱりギロックやブルグミュラーより、かなり良く出来てる。

Kinderszenen Opus 15 - Album fuer die Jugend Opus 68
Robert Schumann
Henle, G. Verlag
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こんな解説も見つけた。

R. シューマン《ユーゲントアルバム》Op. 68をめぐる一考察

京都女子大学の土井智子氏の論文。
4分の3拍子が少ないのはこどものドキドキの2拍子のような、子供の感覚に即したものを書いているから、ああ、なるほど~。

小さな楽曲にたくさん向き合うこと

そういえば、ここ数年、講座に使うために小さな曲を探しては、分解して、色んな角度から描いてみて、弾いて、録音して、一曲としての良さをどうやって引き出すか、余計なものを取り除くか、ということを繰り返してきた。これが、無意識の蓄積になっていて、今は何を弾いても楽しい。大きな楽曲に取り組もうとするとき、メロディの方向性とか 全体のバランスとかはどこかやっぱり まず演奏できてから、になってしまうし、フレーズや構成の始まりと終わりの間が長かったりして見失ってしまう。部分的に気に入っているところだけがひきたって聞こえてしまうばらついた演奏になりがち。

けれど、小さな曲で培った全体のバランスを捉えながら作り上げていく習慣は、大きな曲でも、音楽がちゃんと流れを持ったものなら、その曲のほうが誘ってくれる、と感じるようになってきている。逆に、ポップスなんかでも本来いい曲でもネットで簡単に手に入る楽譜なんかだと、足りないものや継ぎ足しが気になって、少し変えたくなったりする。

ユーゲントアルバムの紹介と、大人も子供も、アマチュアもプロも、小さい曲にた~くさん触れよう、という話でした。ユーゲントアルバムは教材として最適。ちゃんと向き合うことが大事。よく、小さな曲ほどボロが出やすいって言うけれど、小さな曲に向き合えないってことは、きっと大きな曲でもおんなじなんだとおもうな、大きな曲は大きいってだけですごいからね。つくづくそう思う。


写真は、日の出る前に散歩したときに、撮った実家の近く。


 

ユーゲントアルバムは 当時の流行りだったキャラクターピースで、一曲一曲ストーリーが有りげな名前がついている。ウィキペディアでみたら、そうか、長女 マリーのためにつくったのだそう。

ちなみに曲名を抜き出してみた。

1.メロディ
2,兵士の行進
3,口ずさむ歌
4,コラール「よろこべおおわがこころよ」
5,スケッチ(小品)
6,哀れな孤児
7,狩人の歌
8,勇敢な騎手
9.民謡
10,楽しき農夫
11、シチリアーナ
12,サンタクロース
13,愛する5月よ
14,小さな練習曲
15,春の歌
16,はじめての喪失
17,朝の散歩をする子ども
18,刈り入れのうた
19,小さなロマンス
20,田舎風の歌
21,(タイトルなし)
22、騎手のうた
23,収穫のうた
24,劇場からの余韻
25,(タイトルなし)
26,カノン風のうた
28,おもいで
29,見知らぬ人
30(タイトルなし)
31,戦いのうた
32,シェエラザード
33,ぶどう狩りのうたー喜びの時
34,主題
35,ミニョン
36,イタリア人の船乗りのうた
37,水夫のうた
38,冬のとき その1
39,冬のとき その2
40,ちいさなフーガ
41,北欧のうた「ガーデへの挨拶」
42,装飾的コラール
43大晦日のうた

タイトルだけみても、子供の生活に無理がないものや、憧れを引き出すようなものばかりで、子育てのセンスのの良さもかんじるなー。もし現代こんな楽曲を作るとしたら、どんなタイトルがいいかなあ、かんがえてみよっと。