レッスンのときの会話

ピアノのレッスンに通っている2年生の生徒。
ヘ音記号の下のドの一つ上の線に引っかかってる音符を指さして、これ何?と尋ねると
首を傾げながら、

「シー〜〜?」

と、上目遣いに私を見る。
つぶらなまなこで、私を見上げて、ニコッとしてくれる。

えっと、だな、それはレだ。

こりゃ、まずい。
ちょっと先へ先へと進むのをやめて、ここをちゃんとクリアしておこう。

習いはじめの頃、真ん中のドに両手の指を並べておいて、右はト音記号側へドレミファソ、左は下に向かってドシラソファと音が増えてきたあたりまでは問題なかった。その頃はドの下にあるのがシだということは良くわかっていたはずだった。

うちの場合はそこかヘ音記号の音は下のドから上に向かって捉え直しをする。んだが、ここが際どいところ。

そこからが、ややこしいので、よくヘ音記号の読み間違いや、混乱が起こる。
ドのうえはレ、ではなくシと思うのは、左右関係の混乱が原因。

この子は脳内で、真ん中のドからすべてが鏡になってマッピングされてる。早く気がついてよかった!混乱が深まる前に一緒になおしてこう。

何度か説明したけどピンとこないから、次から毎回音の階段を五線紙に書き出してもらうことにする。

大人も愚痴る、ヘ音記号

大人のレッスンでも ヘ音記号はつまづきまくる。何度もその愚痴をきいてきた。

どうも、その原因はひとつではないな、と観察しているうちに考えるようになった。

一つには左手、という使い勝手の悪い道具のせい。

そして、その左手が右手と左右対称についているために、音高も左右対称にマッピングされやすい、ということ。

これが複合的に、マッピングを妨げているんだと思う。

2年生の脳内で起こっていることもこれだったに違いない。しかも、さらにややこしいことには、指使いは右と左の手は親指から数えて12345と左右対称になっている。ピアノを習う最初の右のポジションのドレミファソが12345の指使いになるから、 左も同じように、入れ込んでしまうが、それは間違いで、左は小指(5)側から54321でドレミファソになる。しかも弾きにくい。人間楽をしたい生き物だから、親指からつい動き始めてしまう。

音を純粋に聞いて、下から音を並べていけば、ドの上はレで、当たり前すぎることなのに、なんでこんなことになるのか・・・これはピアノを弾きながらそのついでに 読譜をしている弊害なんだろうと思う。

大人もそういうことに気がついた場合はマッピングの修正をしていくといいと思う。

  • 鍵盤上のドレミの位置(視覚・身体感覚)
  • 楽譜上のドレミの位置(視覚・構成力)
  • 実際の音のならび(聴覚)

をまず一致させること。

それからあのややこしい左手のこと

  • 左手の指の位置(内部感覚)
  • 鍵盤の並び(視覚)
  • 実際の音(聴覚)

を一致させる。自分がどこでつまずいてるか、を見つけていくといい。

めんどくさいかもしれないけれど、これを地道にやって、マッピングのズレを修正していくこと。
無意識だったものを一度意識化して、修正して、また無意識に使えるように丁寧に練習していくこと。

ができれば、おとなになってからでも十分修正可能だし、ヘ音記号アレルギーがなくなれば、ピアノはもっと楽しくなるし、楽譜に煩わされないでダイレクトに音楽に触れていくこともできるようになります。

世の、へ音記号アレルギーのみんな、がんば。