800年前・中世の音楽ってどうだったんだろう?

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私たちは生まれたときからいろんな音楽に囲まれていたから、素朴に音楽に触れて、新鮮に出会うっていうことがどんなことかさえ知らないんじゃないかな。

もともとシンプルに一つの歌だったものに、いろんな人や事情が重なりつつ、うたは二声になり、伴奏がついたり、和声がついてって西洋の音楽は独特な成長の仕方をして、そして、クラシックはもちろん、ポップスといえ、ジャズやロックと言え、その恩恵の上にあるわけで、今や、世界中で音楽ってのは鳴り響いている。

もう”知ってしまっている”私たちは、すでに複雑怪奇な音楽理論をたっぷりと抱え込んでいる音楽を、それぞれ音楽の要素を生み出していった当事者たちとは比べ物にならない簡単さでそれを手に入れて、演奏技術でもって、いやハートによってもいくらでも再現できるし、演奏しない人も”知っている”耳でそれを聞いてる。

でもな。何かを置いてきぼりにしているってことはないのかな。私は特にこの仕事を始めてしまってから、いつそこへもどってきてしまうんだ。置いてけぼりっていうのは、いい、いけないっていうんじゃなくて、もう現代に生きるっていうのはそういうことで、だからこその進歩っていうのもあるかもしれんと思うんだけど・・・ただ、その持ってき忘れてるものを、自分の中でシンプルに筋道を追いながら辿っていった時、今やっている音楽もその姿のもっと深いところを懐を開けて見せてくれる。なんでかっていうと、自分の体験がその分深くなっていくから。

それで、ほんとに自分の実感を持って、ゼロから音楽をスタートしてみる、って、どんな感じになるだろう、と思って、こんな本はいつも読んでいたいと思ってます。レオニヌスやペロティヌス、ボエティウスなどの音楽も、きいてみたいと思ったらいくらでも、ネットできくことができます。とは言っても誰も聞いたことが無い音楽の再現なので”知っている”私達の側の音楽に違いはないのだけれども・・でもすごい時代になったなと思います。

読んだ本

河出文庫*中世音楽の精神史 金澤正剛

 

中世音楽の精神史: グレゴリオ聖歌からルネサンス音楽へ (河出文庫)
金澤 正剛
河出書房新社
売り上げランキング: 79,810

文庫本の出版は2015年になっていますが、これは再出版で、あとがきは1998年になっています。文庫本では、あとがきのあとに

「建築と音楽」の著者の解説があり、これがさらに興味深かったです。

この記事を書いている人の
音楽ワークショップ「音楽を描く」は
こちら→ です。

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