語彙力を鍛える

いきなり、あとがきの引用から・・


言葉はどうせタダなのだから、人目を惹きつけられれば何を言ってもいい。言ったもの勝ちである、そんな刹那主義が、政治の世界でも、ビジネスの世界でも、メディアやネットの世界でも横行しています。その結果、偉そうな言葉や凝った言葉、威勢のいい言葉が巷にあふれるようになりました。現実世界の反映であるはずの言葉が現実世界をねじ曲げ、言葉だけが過剰なインフレに陥っている状況に、不安を覚えざるをえません。

・・・・・

本書は

①言葉の形に価値があるという「信仰」

②言葉の形を変えれば中身まで立派になるという「幻想」

③目を惹く表現を生みだせば偉くなれるという「風潮」

という言葉をめぐる現代社会の病と戦うために書きました。


私自身、ときどきこの著者、石黒圭さんの言う「信仰」「幻想」と「風潮」に埋もれそうになる。多分、飲み込むつもりはなくても、半分くらい口に雪崩れ込んできて、否応なく飲み込んでいると思うなあ。何となくその味がわかるもの。そこには、私の中に「千と千尋の神隠し」に出てきたカオナシみないなのがいて、腹の奥の口で待っていたりするのかもしれない。・・・といえるのは、まだかろうじて埋もれてないからだと信じたい。

現代の言葉の振り切れ感は、言葉を扱う媒体が紙からネットへと移ってきていることと切り離せない関係があるだろう。けれど、それ以前に、多くの人が言葉を深い意味の世界とのつながりよりは、使い勝手みたいなところで捉えてそれ以上踏み込めないでいることにあるのかもしれないと思う。

そんなアップアップの状況・・それは多分私だけではないと思うけれど・・・をただ憂う、というのでは、指摘されるだけつらいばかり。

この本はそうではなく、具体的な言葉とのつきあい方、それも語彙力に焦点を絞った言葉の育て方を教えてくれている。が、語彙力というのはこれ読んで豊かになるようなものではなくて、もちろん自分で育てていかなければならない。この本は一つの言葉がもっている世界をイメージさせ、語彙というものを入れ込んでいくいくつもの部屋を準備する・・といったかんじのもの。

語彙とは言葉の量だけでない。そのひとつひとつの質や、広がり、的、そういったものも、語彙、という言葉の中には含まれている。そんな、言われてみれば当たり前のことを、私たちは、ただ、だれも教えてくれないからしらないでいるだけなのかもしれない。

言葉の一つ一つを育てていきたいと思った。

取りあえず、この本のすすめの携帯アプリ「類語辞典」は入れましたよ。
ボキャブラリーない私にとって、色々たいへん役立ちます。

 

語彙力を鍛える 量と質を高めるトレーニング (光文社新書)
石黒 圭
光文社 (2016-05-19)
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