参加者の声2(ピアノ)

ショパン作曲バルカローレ作品60

個人レッスンの一例です。ピアノは音の数が多く、全体や流れをつかむのが難しい楽器だと思います。そこに焦点をあてたセッションでした。

 

午前中はショパン バルカローレ(舟唄)Op.60から、

序奏の後に現れる左手の伴奏型を課題としました。
全体を一度演奏した後その1小節に焦点を当てていきました。
ショパンのバルカローレは 彼の人生の終焉に近い1846年に作曲されました。
左手のバルカローレらしいうねりは 控えめながら音楽全体の重要なエッセンスとなっています。
拍子は従来のバルカローレの倍の8分の12(従来は8分の6拍子)。
寄せて返す波の波形が1小節の中に長い息で巧みに表現されています。
私はそのうねりが自分の中でしっくりこずなんともぎくしゃくしたものに感じていました。受講者のスケッチ

初めは思うままにその1小節をオスティナートスケッチをしてみるよう促されました。
単純に行きつ戻りつする半円に近いものを描きました。
けれども実際に描きだしてみるとそれではあの息の長さは当然表現しきれないことに気がつきました。
頭の中だけの勝手な思い込みでした。
谷中さんと色々話し合いながら 次々と形を変えてみました。
連続したシンプルな丸。。。けれどそれでは何か違う、やはり流れがスムースでない。。。
こうかな?ああかな?と会話とスケッチを続けていくうちに少しずつ頭と心と音楽のバランスがとれていく感じと共にスケッチが出来上がっていきました。

一小節を一つ大きな丸としながらさらに大きさの違う3つの丸を連結して描いていく。
大きなうねりとそのリフレクションのような小さなうねりを繰り返しながら一つの変形した丸となってまた次ぎに繰り返していく、その動きはやっと出会えたものとしてしっくりと指と心につながりました。

 

2ヶ月経った今も特にスケッチを繰り返したりする必要なく心に収まっているようです。一度しっくりきた表現は 実際に描き表すことで自分の内面と一体化してしまうのかもしれません。

(個人レッスン・音楽大学在学中のMさん)

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